初めに、「甲子園出場」が唯一最大の目標であるという観点から、事実上の決勝の意味を持つ準々決勝の結果を振り返ります。
10/27
○準々決勝
(山梨)東海大甲府2×1東海大相模(神奈川)
(茨城)常総学院9×1木更津総合(千葉)
(群馬)健大高崎8⑧1國學院栃木(栃木)
(千葉)専大松戸6×0鎌倉学園(神奈川)
残念ながら、落ち着いた状態での生視聴が出来ませんでした。ダイジェストをベースとした「感想」です。
(山梨)東海大甲府2×1東海大相模(神奈川)
石橋(栃木)戦後の東海大相模・監督と選手のインタビューが印象に残った。
言外の意味を加えれば、「(通常相手の戦力を丸裸にして試合に臨むが、)対戦相手の情報がなく、試合の中で探っていくしかなかった」。
*同じ、栃木県代表の國學院栃木の情報もなかった、ということ。
6回ノーアウト1塁からの3連続サードへのセフティバント安打が象徴するように、機動力を活かした「隙を突く」えげつない野球は流石だ。
マスコミによる薄っぺらな報道で「強打」のイメージがすり込まれているが、相模野球の強さの本質は、「隙を突く」野球にあると考えている。
そのような相模にとって、勝手の違う対戦相手となった。
相手は、相模野球の創世記を作り上げた、相模OB・村中 秀人監督。手の内を双方知り尽くしており、均衡した試合になった。
(茨城)常総学院9×1木更津総合(千葉)
大会前から、「スーパーシード」のメリット・デメリットを警戒していた方は多かったことだろう。高校野球に限らないが、『勢い』が結果を左右するものだ。
更に、2016年選手権ベスト8を最後に、実力を高く評価されながら結果に結びつかない歯がゆさが、マグマのように鬱積していた常総学院の存在は脅威だった。
秋本 璃空投手の面構えと、木更津総合戦に向けたインタビューで、その脅威が確信になっていた。
千葉県内では通用しているブランド(相手を見下ろす・相手が自滅する)が粉砕される結果となった。
少なくとも、緒戦でなければ、違った結果であっただろう。
5回までの常総学院のもたつきを活かす、試合巧者の姿がこの日はなかった。
>(群馬)健大高崎8⑧1國學院栃木(栃木)
同じ北関東に位置している、國學院栃木がどういう策に出るか、楽しみにしていた。
柄目直人監督の策士ぶりが、申告敬遠4つに現れているのではないか。
<追記>関連する記事があった
高校通算31本塁打を誇る健大高崎の4番・小沢周平(2年)は、国学院栃木バッテリーから、なかなかバットを振らせてもらえなかった。
一、三回と2死二塁の得点機で打席に立ったものの、いずれも申告敬遠。「4球待たせないことで、次の打者も準備が十分でないまま打席に立つ。相手に流れを渡さないという意味合いもある」という国学院栃木の柄目(つかのめ)直人監督の狙い通り、健大高崎はともに後続を断たれた。
結果は、「策」など通用しないだけの地力を、健大高崎が持ち合わせていた。
東京学館についてだが、もしも「J:COMによる千葉県大会準決勝・決勝の中継」がなかったら、真逆の結果だったのではないか。
(千葉)専大松戸6×0鎌倉学園(神奈川)
粗い試合(16残塁・11得点)で勝ち進んできた鎌倉学園を、深沢 鳳介投手が抑えるかをポイントにしていた。
持丸監督のインタビューが味わい深い。
「ベンチでは野放し」
長い野球経験から、悟りを開いている域に達した発言。
これはこれで一つのやり方であり、現代の子供達が力を発揮する、選択肢なのだろう。
甲子園出場を確実にした。
千葉県民として「ほっとした」勝利だった。
秋季県大会3位・秋季関東大会初出場という報道が目立つが、そもそも地力があり、あと一歩の結果を積み上げてきた。
必然の結果である。
--------------------------------
2020 秋季関東地区大会 ・準決勝
10/31 千葉県野球場
本塁打;
櫻井 歩夢 1号ソロ (3回深沢 鳳介 ) 、 森川 倫太郎 1号ソロ (4回深沢 鳳介 ) 、 小澤 周平 1号2ラン (5回岡本 陸 ) 、 堀江 晃生 1号ソロ (6回深沢 鳳介 ) 、 綱川 真之佑 2号ソロ (7回深沢 鳳介 )
バッテリー
専大松戸 :深沢 鳳介 ⇒岡本 陸⇒深沢 鳳介 - 加藤 大悟
健大高崎 :野中 駿哉 、 中野 颯太 、 髙松 将斗 - 綱川 真之佑
専大松戸:併殺打:3、犠打:0
4回裏 健大高崎
右越本⇒四球⇒三安、点差を4点に拡げられノーアウト1,2塁
【守備位置変更】深沢 鳳介(投→中)
【投手交代】苅部 力翔→岡本 陸
5回裏 健大高崎
四球⇒右越本、専大松戸0-6健大高崎
中安⇒右安 ノーアウト1,3塁
【守備位置変更】深沢 鳳介(中→投)
岡本通用せず。コールド負けが現実味を増し、深沢をマウンドに戻す。
6回表 専大松戸
3連打で1点を返し、ノーアウト1,2塁
三度目の遊併 2アウト3塁
6番 奥田 和尉 左安タイムリー、専大松戸2-6健大高崎
6回裏 健大高崎
先頭打者本塁打 専大松戸2-8健大高崎
ノーアウト満塁を凌ぐ。
7回裏 健大高崎
8番 綱川 真之佑 左中本、専大松戸2-9健大高崎
7回コールドゲーム成立
<コメント>
初回から、深沢投手の投球にキレがない。
目の錯覚かと思えた。
目標を達成して、「出涸らし」状態なのか、と感じた。
リリーフ岡本は、ようやくの出番にモチベーションが感じられ、球に勢いもあった。
が、つるべ打ちにあい深沢をマウンドに戻す。
「消化試合」と捉えていたので、最初は采配の意図が分からなかった。
*この記事を書きながら視聴していた。
昨年の関東大会・準決勝では、同じ健大高崎を相手に東海大相模はコールドゲームを回避している。東海大相模2-8健大高崎
負け方にも、限度があるのだ。
関東5枠目が試合内容により、マスコミに人気の東海大相模だろう。
東京の準優勝校がどこになるか結果が出るのは先だが、こじつければどうなるか分からない不透明感を残す結果となった。
<追記>上記の記事を配信する直前に、準決勝第二試合の結果が出た。
東海大甲府(山梨) 0 - 10 常総学院(茨城)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 H E
東海大甲府 0 0 0 0 0 0 0 1 1
常総学院 1 0 0 4 1 4x 10 12 0
<6回コールドゲーム>
この結果を受けて、選抜選考における「こじつけ」による不透明感は霧散された、ことだろう。
いずれにしろ、
>「ベンチでは野放し」
である、専大松戸の詰めの甘さは払拭されない。
何事にも、「メリット・デメリット」がある。
それにしても、常総学院の
>実力を高く評価されながら結果に結びつかない歯がゆさが、マグマのように鬱積していた
爆発力は凄まじい。
昨年も最後まで勝利にこだわった 健大高崎と、「結果」を渇望しているだろう常総学院。決勝は、予想外の「真剣勝負」が期待できそうだ。
裏 健大高崎